パルクール用語集

 目次

基礎用語 -Basics-

パルクール・フリーランニング【Parkour / Free running】

フランス発祥のスポーツの一種で、走る・跳ぶ・登るという移動に重点を置く動作を通じて心身共に鍛えるものである。パルクールは、移動術であり、トレーニングメソッドであり、また、パフォーマンスであり、ライフスタイルや哲学でもあり、というようにスポーツ以外でもその概念はさまざまな捉え方がなされてる。フリーランニングはパルクールが英語圏に伝わる際に使われた名前である。

トレーサー・フリーランナー【Traceur / Free runner】

パルクールの実践者。

フロウ【Flow】

技をつなげて連続的に技をスムーズに行う一連の動作のこと。

スポット【Spot】

屋外で練習できる場所のこと。

技 -Skils-

■着地【Landing/Roll】

パルクールを始めるにおいて最初に知るべき技術。着地の方法を学び、身につけることで体の負担を減らし、ゲガを回避できるようになる。

ランディング【Landing】

主に真上から落ちてきたときの着地のときに行う四点着地。足だけに負担がかからないように、腕もしっかり使って着地する。

パルクールロール【PKroll】

省略して「PKロール」や「ロール」と呼ばれる。パルクール中によく使われる動作。主に前後左右のいずれかの方向に勢いがついているときに使われる動作で、着地の際の勢いを受け流す為に行う。頭や肩をぶつけることなく安全に着地ができる。

ダイブロール 【Dive roll】

飛び込み前転のことを指す。体操競技の場合と違い、パルクールで使う際は前転がPKロールになるので、頭を地面に打つことなく安全に行える。手をつくことができない障害物を越すときに使える。

フルツイロール【Full twisting dive roll】

上級者向けPKロール。ダイブロール中に一回ひねりを加える、見た目も難易度も高い動作。

■跳ぶ【Precision】

直訳では「正確さ」だが、A地点からB地点に飛び移り、足で着地することの総称。その名の通り着地の正確さが求められる。日本では省略して「プレシ」と呼ばれるが、海外では「Pre(プリ)」と略されることが多い。

スタンディングプレシジョン【Standing precision】

その場から両足で踏み切り、両足で着地(静止)する動作。「プレシジョン」や「プレシ」と略される。

360プレシジョン【360 precision】

プレシジョン中に一回ひねりを加える。見た目と難易度が高い動作。日本ではサブロクプレシと呼ばれることが多い。

ランニングプレシジョン【Running precision】

目的地に飛び移る際に、勢いをつけるために走り、その勢いでプレシジョンをすること。片足踏み切り、両足着地が主流だが、どんなプレシジョンをしても、その前に助走があればランニングプレシジョンといえるだろう。略称は「ランプレ」。

プライオ 【Plyometric Jump】

A地点からB地点で止まるまることなく、そのままC地点D地点へ連続的に両足プレシジョンをすること。

ストライド【Stride precision】

A地点からB地点で止まるまることなく、そのままC地点D地点へ連続的に走るようにプレシジョンをすること。

スネシジョン

日本のトレーサーが名付けたプレシジョン。プレシジョンをした際、着地で踏み外してスネで着地するなど、プレシジョンの失敗時にスネをぶつける行為。痛さを笑いに変えるための呼称。

■越える【Vault】

障害物に手をついて飛び越える動き。技の名前をいうときは「モンキー」「レイジー」「ツーハンド」など、ヴォルトを略すことが多いが略さないヴォルトもある。

1.初心者向け

ツーハンドステップヴォルト 【Two hand step vault】

障害物の正面に立ち、両手を最初に障害物の上に置き、左足を手の外側に乗せ、右足を障害物に乗せている左足と右手の間から通す。通す際に通り道にある左手は障害物から離す。間を通した右足が最初に地面につく。

最初に両手をつくので高い障害物の場合でも体を持ち上げてからヴォルトに入ることができる。

ワンハンドステップヴォルト 【One hand step vault】

ツーハンドステップヴォルトの左手を最初からつかないステップヴォルト。ツーハンドステップヴォルトの動きに慣れると高くない障害物の場合、片手をつかないほうがスムーズに素早くヴォルトを行える。

ツーハンドヴォルト 【Two hand vault】

ツーハンドステップヴォルトの左足をつかないヴォルト。ステップはないが、態勢や着地足はツーハンドステップヴォルトと同じ。

ワンハンドヴォルト 【One hand vault】

ワンハンドステップヴォルトの左足をつかないヴォルト。ステップはないが、態勢や着地足はワンハンドステップヴォルトと同じ。

レイジーヴォルト【Lazy vault】

障害物の左横に立ち、右手を障害物に置く。障害物に近い右足を振り上げ、はさみ跳びのような態勢で飛び越える。振り上げた左足が地面に付く前に、右手で障害物を押す。

上記のヴォルトが全て障害物に対して正面に立ち直角方向に進むのに対し、レイジーヴォルトは高飛びのはさみ跳びように斜めから入る。

2.中級者向け

セイフティヴォルト【Safety vault】

基本的にはワンハンドステップヴォルトと変わらないが、プレシジョンの着地直後や平面から下るときなど、高低差がある地点の上から下にスムーズに降りるときに、先に片足をついて逆の腕をつき、ステップヴォルトをすることをセイフティヴォルトと呼ぶ傾向がある。

スライドヴォルト【Slide vault】

レイジーヴォルトのように障害物の左横に立ち、右手を障害物に置くが、障害物から遠い左足を振り上げて越える動作。着地は右足が先にくる。

ダッシュヴォルト【Dash vault】

障害物の手前で踏み切り、足から障害物を超え、着地前に着手して障害物を押し出すように超える。

モンキーヴォルト【Monkey vault】

体操競技の閉脚跳びのような動作。
両手を障害物に置き、その腕の間に抱え込んだ足を通す。

ターンヴォルト【Turn vault】

柵などのつかみやすい障害物で行う動作。
最初に両手で障害物を掴み、 右手を軸にして左腕あたりに両足ジャンプ。左手を一瞬放して持ち替え、障害物の反対側にぐるりと飛び移り、着地時も身体の向きは障害物の方になる。

リバースヴォルト 【Reverse vault】

障害物に両手前後につき、上で側宙のように一回転しながら越える動き。

ゲートヴォルト【Gate vault】

柵など幅が狭く、つかめるところのある障害物で行う動作。
柵のような障害物に洗濯物のようにお腹から乗り頭を下げ、右手は地面につくか、伸ばしきったところで柵を掴み、左手は柵の上か、自分に左肩あたりの作を掴み、測転のように越える。

障害物から着地地点への高低差が大きいときに使うことで、着地時の身体への衝撃を緩和することができる。

3.上級者向け

スピードヴォルト【Speed vault】

ハードル跳びのように障害物を飛び越えた後に、後ろ手でレイジーヴォルトのように押し出して進む動き。

カッシュヴォルト【Kash vault】

モンキーの入りで障害物を押し、足を通した後、レイジーヴォルトのようにもう一度障害物を後ろ手でおして前に進む動き。

コングヴォルト【Kong vault】

モンキーヴォルトが、障害物に手がついてから足が離れるのに対し、コングヴォルトは先に足が離れる。障害物の幅がひろいときや、障害物の手前の地面が踏み切れない場合にこの動作を行う。

ダブルコング【Double kong】

障害物の幅がひろい場合に、障害物に手を2回つける動き。又は、2個の障害物があり、両障害物に手をつき押して、一度に二つの障害物をコングで飛び越える動き。三回着手するとトリプルコング。

モンキープレシジョン【Monkey precision】

日本のトレーサーには「モンプレ」と呼ばれ、モンキーヴォルトの着地でプレシジョンをすることを指す。最初のモンキーヴォルトがコングヴォルトだったとしても「モンプレ」と呼ぶことが多い。
海外では逆に、モンキーの動きからプレシジョンを行う場合でも「コンプリ(コングプレシジョンの略)」で呼ばれることが多い。

■壁系【Wall】
壁を使った動き全般を指す。
駆け上がる、掴んで登る、押す、ぶら下がるなど、様々な動きがある。
1.基本

ウォールラン【Wall run】

壁を走り、駆け上がる動き。

キャットリープ【Cat leap】

両腕で壁を掴んでぶら下がり、両足を曲げて壁に当てている姿勢。通常「キャット」と呼ばれている。

ダイノ【Dyno】

キャットの態勢から、さらに上にある壁などを掴みに行く動き。

キャットバック【Cat back】

キャットの態勢から真後ろのかべに飛び、キャットをする動き。Cat to Cat (キャット トゥ キャット)と呼ぶこともある。

クライムアップ【Climb up】

壁に捕まった状態から、腕の引き上げ、足の振り上げを使って腰の位置まで登る方法。

チックタック【Tic tac】

壁を蹴って、別の障害物などに移ること。

2.フリップ

ウォールフリップ 【Wall flip】

壁を蹴ってする宙返りの総称。壁バク宙を指す場合にも使われる。

ウォールフロント(壁前宙)【Wall front】
ウォールサイド(壁側宙)【Wall side】

ウォールスピン 【Wall spin】

壁の前に立ち、両手を壁に上下につき、下の腕を軸にして腕の上を壁と平行に回る。

パームフリップ 【Palm flip】

壁の前に立ち、上に跳んだとともに、両手を壁ににつきバク宙をする動き。壁でモンキーをして回るイメージ。

キャスト 【Castaway】

壁の上などのヘリに腕と腰で態勢を維持し(クライムアップで登りきった態勢)、足と腰を振り上げ壁を押して、バク宙をして着地する。

エンジェルドロップ【Angel Drop】

壁にキャットリープをしている態勢から壁を蹴って前宙をして地面に着地する動き。

デビルドロップ【Devil Drop】

壁にキャットリープをしている態勢から壁を蹴ってバク宙をして地面に着地する動き。

ブッタドロップ【Buddha Drop】

壁にキャットリープをしている態勢から壁を蹴って側宙をして地面に着地する動き。デビルドロップの側宙版なのでデビルサイド(Devil side)と呼ばれる時もある。

■バー・レール系【Bar/Rail】

鉄棒や手すりなど棒状でつかめる障害物を使った動き。

レールバランス【Rail balance】

レールの上で体をコントロールし、静止したり、歩行するなどバランスを取りながら行うもの全般を指す。

キャットウォーク 【Cat walk】

レール上でモンキーウォークをする。

シットスピン【Sit spin】

レイジーヴォルトの入りでレールを越えるように踏み切り、レールに座り、足をレールの反対側の地面につけずに、レール上で足を一周回す。日本ではウィリアムスピンと呼ばれることもある。

パームスピン【Palm spin】

ターンヴォルトのようにレールを持ち踏み切るが、レールの向こう側に超えずに腕を軸に一周する。

アンダーバー【Underbar】

レールを掴み、足から通してレールの下をくぐる動き。

スウィング【Swing】

レールにぶら下がり、前後に揺れる動作のこと。

ラシェ【Lache】

スウィングなどで勢いを付け、前方に跳びだし、プレシジョンをする動き。スウィングプレシとも言われる。

スウィングゲイナー【Swing gainer】

スウィングをして、前方に身体が出たときに手を離しバク宙をする。

スウィングキャスト【Swing castaway back】

スウィングをして、後方に身体が出たときに手を離し前宙をする。

これからもパルクール用語集を随時追加していきます!